眠るときに使うもの。騒音から耳を守るもの。
耳栓といえば、そんなイメージがあります。静かに休みたい時に良さそう。そう思いつつ、気になりつつ、結局買わずに何年過ごしただろう。
結局、イヤホンで代用しています。
周囲の音が聞こえなくなる? 人の声は? 自分の声は?イヤホンのノイズキャンセリングとの違いは?
気になったので、耳栓の効果や種類について調べてみました。
耳栓をすると、音はどれくらい小さくなる?
耳栓は、耳に入ってくる音を物理的に減らす道具ですが、音が完全に聞こえなくなるわけではありません。
耳栓をしても、音の一部は耳の中に届きます。また、音は空気だけでなく、頭の骨などを通しても伝わります。いわゆる、骨伝導というやつです。
どの程度静かになるかは、耳栓の性能や装着状態、聞こえてくる音の高さによって変わります。
耳栓のパッケージには、遮音性能を表す「NRR」や「SNR」という数値が記載されていることがあります。基本的には数値が大きいほど遮音性能が高いことを示しますが、必ずしも表示された数値どおりに実際の生活音が小さくなるとは限りません。米国の労働安全衛生研究所(NIOSH)も、耳栓の遮音性能は装着状態によって変わると説明しています。
つまり、数字だけでなく、自分の耳にきちんと合うかどうかも大切です。
耳栓にも種類がある
ひと口に耳栓といっても、素材や形、音の減らし方には違いがあります。代表的なタイプを比較してみました。
| 種類 | 遮音性 | つけ心地 | 価格帯の目安 |
|---|---|---|---|
| フォームタイプ | 高いものが多い | 柔らかいが、圧迫感が出ることも | 約100〜500円 |
| シリコン・樹脂タイプ | 中〜高 | 形によって異なる。サイズ選びが重要 | 約500〜3,500円 |
| フィルタータイプ | 必要な音を敢えて取り込むものもある。 | サイズが合えば比較的安定 | 約1,500〜5,000円 |
静かさを最優先するか、必要な音を残したいか。用途によって選ぶ耳栓も変わりそうです。
フォームタイプ
スポンジのような柔らかい素材でできた耳栓です。
指で細くつぶして耳に入れると、ゆっくり膨らんで耳の穴にフィットします。
比較的安価で、しっかり遮音したいときの選択肢になります。
ただし、正しく装着するには少しコツが必要。耳の大きさに合わないと、圧迫感が出たり、十分に音を減らせなかったりします。
シリコン・樹脂タイプ
あらかじめ形が決まっているタイプや、柔らかいシリコンを耳の入り口に合わせて形づくるタイプがあります。
洗って繰り返し使える製品も多く、フォームタイプのように毎回つぶす必要がないものもあります。
ただし、形が合わなければ痛みや違和感につながります。耳の中に差し込むものと、耳の入り口を覆うものは、使い方も異なります。
フィルタータイプ
耳栓の内部に、音の伝わり方を調整する仕組みを持つタイプです。
音楽を楽しみながら音量を抑えるものや、周囲の音をある程度聞き取りながら使うことを想定し、音の高さによる減衰の差を小さくすることで、音質の変化を抑える設計のものがあります。
ちなみに、ノイズキャンセリングイヤホンとは音を減らす仕組みが異なります。
ノイズキャンセリングは周囲の音をマイクで拾い、逆位相の音を発生させて打ち消す仕組み。特に低い持続音を減らすのが得意です。
一方、一般的なフィルタータイプの耳栓は、電気を使わず、内部の構造によって音を弱めます。音楽や会話の聞こえ方を考慮した製品もあります。
静かになったのに、自分の音がうるさい?
耳栓をすると、自分の声や呼吸音、ものを噛む音などが大きく感じられることがあります。これは「閉塞効果」と呼ばれる現象です。
私たちの声や身体の音は、空気だけでなく骨などの振動によっても耳に伝わっています。通常は耳の外へ逃げる振動の一部が、耳の穴をふさぐことで内部にとどまり、自分の音が強く聞こえることがあるのです。
外の音を小さくしたつもりが、今度は自分の呼吸音が気になる。耳栓を使ってみて違和感がある場合は、この閉塞効果が関係しているかもしれません。
巨人に飲み込まれたらこんな音がするのかな、といつも思います。
耳栓で眠りやすくなる?
耳栓で周囲の音をカットすれば、眠りを妨げる原因を減らせます。しかし、睡眠を妨げるものは音だけではありません。光や室温、身体の不快感なども関係します。
また、一部の研究においては、耳栓のみの使用で睡眠の質に明確な改善は確認されなかった一方、アイマスクのみ、または耳栓とアイマスクの併用では改善が報告されています。つまり、耳栓を使えば必ず睡眠の質が向上するという十分な根拠があるわけでもないようです。
音が気になって眠れない人なら、試してみる価値はありそうです。
静けさと装着感で打ち消しあってたりして。逆に、試してみたい。
寝るとき以外にも使える?
耳栓は、眠るためだけの道具ではありません。読書をするとき。作業に集中したいとき。少し静かに休憩したいとき。周囲の音が気になる場面なら、使う理由はあります。
ただし、すべての音を遮断するのがいいとも限りません。人と会話する必要がある場所や、周囲の状況を音で確認する必要がある場面では、遮音のしすぎに注意が必要です。
外を歩くときや運転中など、安全に関わる音を聞く必要がある場面では使わないようにしましょう。
耳栓を使うときの注意点
どのタイプの耳栓にも言えるのは、耳に直接触れるものだということです。まずは清潔に使うこと。使い捨てタイプは製品の指示に従って交換し、再利用できるものは指定された方法で洗浄・乾燥させます。
また、無理に押し込まないことも大切です。
耳が痛い、かゆい、違和感がある場合は使用を中止しましょう。耳の炎症などがある場合は、使用前に医療者へ相談してください。
それから、就寝時に使うならアラームが聞こえるかも確認しておきたいところ。静かに眠れたのはいいけれど、起きられないのも困ります。
ちょっと静かにしたいなら、耳栓もあり
耳栓は、音を完全に消すものではありません。でも、生活の中に入ってくる音を少し減らすことはできます。
しっかり遮音したいならフォームタイプ。繰り返し使いたいならシリコン・樹脂タイプ。音の聞こえ方を調整したいならフィルタータイプ。
自分がどんな音を減らしたいのか考えて選ぶと、使いやすいものが見つかるかもしれません。
少し静かに過ごしたい時間に、耳栓を使ってみるのもよさそう。本格的に、導入検討しようかな。