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チルな思考

「リベンジ夜更かし」って何なんだろう

2026.10.01

mao

「休むために、夜更かしをしている」という記事を書いた。

眠った方がいいのは分かっているのに、自分の時間が足りないまま一日を終えるのが嫌で、夜を延ばしてしまう。そんな話だった。

これは私だけの時間だ。
そんな話を書きながら、ふと思った。

これ、いわゆる「リベンジ夜更かし」では?

名前だけは聞いたことがあった。なんだか物騒に聞こえるけれど、何に対するリベンジ?よく知らない。

気になったので、ちゃんと調べてみることにした。

そもそも「リベンジ夜更かし」って何?

まず出てきたのが、「就寝先延ばし(bedtime procrastination)」という言葉だった。

2014年の研究では、就寝先延ばしを、ざっくり言うと「外的な事情がないのに、自分が寝ようと思っていた時間より就寝を遅らせること」としている。→ Frontiers in Psychology

仕事が終わらないとか、夜勤だから寝られないとかではない。

寝ようと思えば寝られる。でも寝ない。

身に覚えがある。

「リベンジ夜更かし」は、そこにさらに、日中に足りなかった自分の時間を、睡眠を削って夜に取り戻すというニュアンスが加わった言葉として使われている。

Sleep Foundationでは、睡眠に悪影響があると分かっていながら、個人的な時間を楽しむために意図的に夜更かしすること、と説明されている。日中のスケジュールを自分でコントロールできていないと感じる人に起こりやすいともされている。→ Sleep Foundation

なるほど。

前の記事で私が散々書いていた、

「誰にも何も求められない時間がほしい」

というやつである。

ちなみに「リベンジ」とはいっても、誰かに直接仕返しをしているわけではない。

日中に取れなかった自由時間を、夜から取り返している。

そして、そのぶん翌日の自分が被害を受ける。

夜型だから寝るのが遅い、とは少し違う

ここで気になった。

私はもともとかなり夜型だ。
だったら単に、夜型だから寝るのが遅いだけなのでは?とも思った。

若年成人280人が14日間、毎日睡眠について記録した研究では、就寝先延ばしが多かった日は、寝る時間が遅くなり、睡眠時間も短くなっていた。さらに、眠っても「回復した感じ」が弱い傾向もあった。

そして、もともと朝型か夜型かを考慮しても、この傾向は残っていた。→ Sleep Health Journal

つまり、「夜型だから寝るのが遅い」だけでは説明しきれないらしい。

夜型=就寝先延ばし、ではない。

夜型の人が自分のリズムで遅く寝ていることと、本当は寝るつもりだったのに何となく夜を延ばしていることは、分けて考えた方がよさそうだ。

「自制心がない」で終わる話でもなさそう

就寝先延ばしについて最初に調べた2014年の研究では、自己調整の弱さとの関連も報告されている。

要するに、

「寝た方がいいと分かっているのに、やめられない」

という部分には、自制や先延ばしの問題も関係していそうだ。→ Frontiers in Psychology

まあ、それはそう。

夜中に「あと一回だけ」とゲームを始めて、その「一回」が増殖していくことはある。

ただ、だからといって全部を

意志が弱いから。

で片づけるのも、どうやら雑らしい。

2025年に発表された、米軍人393人を対象とした研究では、仕事上の役割が時間やエネルギーを圧迫している「役割過多」が強い人ほど、就寝先延ばしも多い傾向がみられた。

研究者らは、就寝先延ばしが、仕事上の要求とそれ以外の生活に使える時間とのアンバランスから生じている可能性を指摘している。→ PubMed

対象が軍人なので、そのまま誰にでも当てはめることはできない。

ただ、

「夜更かしをやめさせれば解決」ではなく、そもそも昼間に自分の時間が残っているのか

まで見る必要がある、という話はかなり納得できる。

私自身、忙しい日だから必ず夜更かしするわけではない。

むしろ、誰かと長い時間一緒にいて、自分の裁量で使える時間が少なかった日の方が、夜を終わらせたくなくなる。

「早く寝なさい」だけでは、たぶんそこが残る。

とはいえ、睡眠を削っている

ここまで読むと、

「じゃあ自分の時間のためなら夜更かししてもいいのでは」

と言いたくなる。

残念ながら、そう簡単でもない。

先ほどの14日間の研究でも、就寝先延ばしが多い日は、短い睡眠時間や低い睡眠効率、回復感の低さと関連していた。→ Sleep Health Journal

そもそもリベンジ夜更かしは、自由時間を取り戻すために睡眠を削ってしまう行動として説明されている。

夜の時間が必要だからといって、睡眠不足の影響までなくなるわけではない。→ Sleep Foundation

困った。

夜もほしいし、睡眠もほしい。

夜を削る前に、昼も見た方がいいのかもしれない

今回調べてみて、少なくともひとつ分かったことがある。

夜更かしについて考える時、寝る時間だけ見ていても足りないらしい。

私が夜に求めているのは、ゲームでも漫画でもない。

それをやることもあるけれど、一番ほしいのは、

誰にも何も求められず、自分で終わりを決められる時間

だった。

だとしたら、夜更かしを減らしたいなら、

「23時になったらスマホを置く」

だけではなく、

なぜ23時になってから急に自分の時間を取り返したくなるのか

も考えた方がよさそうだ。

もちろん、昼間に好き放題ひとり時間を確保できたら苦労しない。

仕事もあるし、家のこともあるし、人との予定もある。

なので今すぐきれいな解決策があるわけではない。

とりあえず、

「また夜更かしした。意志が弱い」

だけで終わらせなくてもよさそうなのは分かった。

夜の自由時間はほしい。

睡眠時間もほしい。

今のところ、両方ほしい。

記事を書いた人

mao

福岡出身のWebエンジニア。気になったことは調べたいし、面白そうなことはとりあえず試したい。ちるわりでは、そんな日々の中で見つけた、休む時間のおともを紹介します。